ここ数年、医療現場において「インフォームド・コンセント」というコトバはすっかり定着したので、あなたも何となくコトバの意味は理解していると思います。この概念は個人主義の意識が高いアメリカで生まれ、日本でも必要性が認識されてきていますが、実際のところ細かい所まではよく理解していない方も多いのではないのでしょうか?
今回は、「インフォームド・コンセント」について詳しくみていきましょう。
『医師は、患者が理解できる言葉で、病気や治療について十分説明し、患者はそれを理解した上で、納得・同意して自分の治療を選択していくこと』です。
診療は言うまでもなく、患者自身のために行われるのであり、当然患者には病状を知り、診療の方針を決める権利があります。『診断・治療』について、良く説明を聞き、どのように診療を進めるのか、最終的には当事者である患者自身の自己決定権を尊重するというのがICの趣旨です。
●インフォームド・コンセントが必要なワケ
患者さんならだれしも、病気や治療について疑問や不安などが生じやすいものです。特に、比較的長い治療期間を要する治療の場合は、なおさらのこと。だからこそ、ICによって、医師と患者さんが治療の目的や効果などを確認し、十分納得したうえで、患者さんがみずから選んだ治療として自覚を持って続けていくことが必要なのです。そのためには、医師との率直なコミュニケーションがまず第一歩だと思います。聞きたいことはキチンと聞く・希望を伝えてみる・大事なことはメモを活用するなど、医師とのコミュニケーションを充実させる工夫を行うことも、大切ではないでしょうか。
●ICにのぞむ姿勢
ICで患者と医師は、互いに、患者の意思と医師の専門性を尊重しながら向き合います。
◆ICの内容
①病名と症状
②予想される検査や治療についての目的と内容
③その成功の確率、また予想される結果とそれに伴う危険性(副作用など)
④それ以外の可能な治療方法
⑤検査や治療を受けないことにより予想される
結果(治療拒否権)
◆何を質問したらよいかわからなくても…
納得のいく治療を目指すためには、患者も努力することが必要です。
=患者ができること=
・自分でも情報を集めたり、勉強したりする
・あらかじめ質問したいことを整理しておく
・IC中も大事なことはメモをとる
・理解・納得できなかったことは、何度でも質問してみる
・病気以外のことも、治療を受ける際に
関わってくると思われることは、はっきりと医師に伝える「納得できる治療」は、信頼関係のもと、よりよいコミュニケーションとICの上に成り立ちます。